日本のジャズ界は多くの優れた才能を持ったジャズ・ドラマーを輩出したが、中村達也もその中の一人。1984年に自身のレーベル、Sea Horseから発売された中村のリーダー作『Locus』が再発 !
BBE MUSICが主宰するJ-Jazz Masterclass Seriesに登場。重厚なパーカッシヴ・サンバから瞑想的なアヴァン・アンビエントまで、様々なジャンルのセッションを網羅。『J-Jazz Vol. 3』のコンピレイションに『Locus』収録曲の「□ Samba」が収録されたが、このアルバムは全世界初のリイシュー。中村は10代の頃、石原裕次郎出演の映画『嵐を呼ぶ男』を観て、ジャズそのものに感銘を受け、憧れのアート・ブレイキーやマイルス・デイヴィスを聴いて、ドラマーとしてのキャリアをスタート。20代前半までに、彼はフリー・ジャズのギタリストの高柳昌行、ピアニストの今田勝、バンド・リーダーで作曲家の菅野光明といった著名ジャズ・マンと仕事をするようになり、70年代半ばには他の日本人ジャズ・プレイヤー同様、ニューヨークへの移住、ロイ・ヘインズにドラムを師事、AACMのメンバーや、リチャード・デイビスやジョージ・アダムスといったロフト・シーンやフリー・ジャズ界のプレイヤーたちと共演した。1979年には今田勝、金井秀人、森健二らとの名セッション『Where Is The Quarter』のリーダー作を発表。このセッションには「□ Samba」のパーカッションを多用したオリジナル・ヴァージョンが含まれており、その後ニューヨークに戻り、1980年にはファンキーでフリーなセッション『Rip Off』を録音。1984年、中村は重厚なフュージョン系の7人編成のバンドを率い、リーダーとして活動し、同年2月にはオーディオ・テクニカ・ホールで公演を果たす。自身のレーベル、Sea Horseからの『Locus』は、同レーベルの唯一作である。 『Locus』では、中村は豪華なラインナップを集結。トランペットには藤本忍、そしてベテラン・ベーシストの金井秀人(1931 - 2011)が参加している。彼は1950年代半ばから演奏を始め、キング・レコードのオールスター・ジャズ・シリーズに出演した後、伝説的なレーベル、スリー・ブラインド・マイス(TBM)の常連となり、多くの一流アーティストのバックを務める。1975年にはTBMからリーダー作『Ode to Birds』をリリースしている。ギターには秋山一将。1955年東京生まれで10歳で独学でギターを始め、ビートルズやレイ・チャールズ、後にジミ・ヘンドリックス、クリーム、シカゴ・ブルース、ジャズに影響を受ける。学生時代に渡辺貞夫のラジオ番組「マイ・ディア・ライフ」に出演したのがきっかけに、鈴木勲グループ、益田幹夫グループに参加。秋山は1978年に初のリーダー・アルバム『Dig My Style』をリリースし、現在も現役のミュージシャンとして活躍している。キーボードには驚異の深町純(1946-2010)が参加。東京・原宿生まれの深町は、3歳からピアノを始め、神童と呼ばれる非凡な才能を発揮し、東京藝大在学中にプロのミュージシャンとなり、1971年にポリドールからファースト・アルバム『Portrait of a Young Man』を出す。日本のシンセサイザーのパイオニアであり、最初に国内でフュージョンを普及させた第一人者でもある深町は、ジャズ、フュージョン、ファンク、ロック、クラシックを含む数多くのレコーディングに作曲者とプロデューサーとして活躍してきた。アンソニー・ジャクソン、デヴィッド・サンボーン、ランディ&マイケル・ブレッカー、マイク・マイニエリ、スティーブ・ガッド、リチャード・ティーらと共演。パーカッショニストの横山達治は、1970年代から日本のジャズやフュージョン界で活躍し、富樫雅彦、植松孝夫、増田幹夫、本多俊之、大野雄二、向井滋春らのアルバムに参加している。中村達也は、現在でもニューヨーク・ユニットをはじめとする多くのミュージシャンとレコーディングやライヴ活動を続け、アフリカ、セネガル、モロッコ、トルコ、オーストラリア、インドネシアなどで大規模なツアーを行っている。また、アフリカ、セネガル、モロッコ、トルコ、オーストラリア、インドネシアでツアーを行うなど、現在も精力的に活動している。J Jazz Masterclass Seriesは、トニー・ヒギンズとマイク・ペデンがBBEミュージックのためにキュレーションしている。
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- Side A1. Locus2. WowSide B1. 1/4 Samba II2. Ballad