ジョナサン・デミ監督『羊たちの沈黙』でフィーチャーされた「グッバイ・ホーセズ」で知られる時代を先取りした才能、故ク・ラザロー。ミステリアスなSSWのドキュメンタリー映画『グッバイ・ホーセズ：ザ・メニー・ライヴズ・オブ・ク・ラザロー』のサウンドトラックがリリース。

Sacred Bonesは時代を先取りした才能、Q LazzarusことDiane Luckeyのアルバム『Goodbye Horses: The Many Lives of Q Lazzarus』をリリースする。このミステリアスなSSWは、1991年のJonathan Demme監督の映画『The Silence of the Lambs』で使用され、Hayden Thorpe and Jon Hopkins、MGMT、Crosses、Urban Heatなどのアーティストもカヴァーした「Goodbye Horses」で知られるが、人々が彼女の全貌を知るようになるまでには、残念ながら何十年も要するだろう。ニュージャージー州ネプチューンで生まれたLuckeyは、ゴスペルの合唱団で歌いながら成長期を過ごし、大きなステージを目指すようになる。NYでシンガーとして名を馳せようとする一方、Qはタクシーの運転手もしており、それが、キャリアの中で最も幸運なきっかけを生んだ。吹雪の中で拾った客が映画監督のJonathan Demmeで、彼は車内で流れる彼女の音楽を聴いて、たちまちその声に魅了された。その後、彼は『Something Wild』、『Married to the Mob』、『The Silence of the Lambs』、『Philadelphia』という4本の映画でQの音楽をフィーチャー。「Goodbye Horses」はそのうちの2本で使われ、カルト・クラシックとなった。その後、音楽業界への幻滅と個人的な失恋、その他さまざまな苦悩が重なり、Qは表舞台から身を引くことになった。しかし2019年、またしても車の中での偶然の出会いがあった。今度は映画監督のEva Aridjis Fuentesとの出会いだった。再びタクシーやバスを運転する生活に戻ったQは、NYでFuentesの運転手を務め、友情を育んだ。この出会いは、やがて友情からコラボレーションへと発展し、ドキュメンタリー映画『Goodbye Horses: The Many Lives of Q Lazzarus』へと結実する。Qの物語を正しく伝えるだけでなく、ほとんど知られていない作品群に生命と背景を与えるプロジェクトとして構想されたこの映画は、Qにようやく花を添えるはずだったが、それも叶わなかった。2022年7月、この映画の制作を終えていた彼女は61歳で不慮の死を遂げ、完成したこの映画は、彼女の人生と作品に対する、より痛切な証となった。当アルバムは、1985年から1995年の間にレコーディングされたQのカセット・レコーディングとデジタル・テープのアーカイブから救い出されたもので、彼女の世界の大きな窓となる。

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