カシーフは所属する横浜の音楽クルー、Pan Pacific Playa界隈をはじめ、一十三十一、スチャダラパー、(((さらうんど)))、G.RINA、Sugar’s Campaignなど錚々たる面々を、ギタリストとして、あるいはソングライターとして支えてきた。その待望の、というにはあまりな待たされすぎたオリジナルアルバムがいよいよリリースされる。
ゲストボーカルに一十三十一、作詞にイルリメこと鴨田潤、マスタリングに砂原良徳、そしてアートワークには永井博によるカシーフ本人の肖像画がフィーチャーされている。彼にゆかりのある才能の手を借りながらも、カシーフはほぼひとりでこのアルバムを作り上げた。エレクトロニカからネオソウル、シティーポップからインディーフォークまで幅広い背景を内包する作品は、穏やかだが内省的な鋭さに満ち、クールでどこか寂しげ、そしてひたすら青い。カシーフの遅れたファースト・アルバムは、セルフポートレートのように、そこに至る彼の、彼のものでしかない、ユニークな音楽人生を写し取っている。それはつまりまるでオリジナルなものだ。多摩丘陵から江の島まで線を引いて空想のモノレールを通せば、その旅のBGMはきっとこんな音楽なのだろう。
- Disc1
- 1. Breezing
- 2. On and On
- 3. The Night
- 4. Clean Up
- 5. Desparate Coffee
- 6. PPP I Love You (Part2.1)
- 7. You
- 8. Neverland
- 9. Be Colorful
- 10. B G M
- 11. PPP I Love You (Part3)br>