英国を代表するポップ・マエストロ、ロイ・ウッドを擁した"パワー・ポップのゴッドファーザー"、ザ・ムーヴの黄金期 (1966~1970年) のすべてを詰め込んだボックス・セット。エレクトリック・ライト・オーケストラの前身としても知られるザ・ムーヴが、1966年から1970年にかけてデラム~リーガルゾノフォン~フライに残したすべてのシングルAB面曲/アルバム・トラックと、多数の貴重音源で構成されたCD11枚組。- 放送用音源を含む本邦初登場曲、初CDトラックを含む214曲 (予定) で構成。- 2022年リマスター音源を使用。- 歌詞、解説、写真資料 (予定) を掲載したブックレットを付属。- 日本独自企画商品
ザ・ムーヴ (The Move) : 英国第二の都市、バーミンガムの5人の精鋭ミュージシャンによって1965年に結成。その卓越した演奏力と達者なコーラス・ワーク、ザ・フーに範を取った攻撃的なパフォーマンスで瞬く間に注目を集め、翌66年にはメンバーのロイ・ウッド (ギター) が書いた「Night Of Fear (恐怖の夜) 」でレコード・デビューを果たす。同曲は英チャート2位に達するヒットを記録。以降もグループはウッド作のキャッチーなポップ・ソングを次々にチャートの上位に送り込み、68年には1stアルバム『Move』 (英15位) を発表した。 68年11月のシングル「Blackberry Way (黒いちご) 」では初の英首位を獲得するも、前後してステージで圧倒的な存在感を放っていたエース・ケフォード (ベース) とトレヴァー・バートン (ギター、ベース) が脱退。その後、リック・プライス (ベース) を迎えたグループはヘヴィ・ロックに傾いた2ndアルバム『Shazam』を完成させるが、70年2月のリリースを待たずリード・シンガーのカール・ウェインが独立。バンドにはジェフ・リン (ギター、ピアノ) が加入した。 その後もグループは「Brontosaurus」 (英7位) をはじめとするシングルをコンスタントに発表。2枚の先鋭的なアルバム ―― 『Looking On』 (70年) 、『Message from the Country』 (71年) ―― を残したが、71年のプライスの脱退を契機にライヴ・バンドとしての活動を休止。活動資金調達の手段として翌72年春に至るまで、"ザ・ムーヴ"としての新曲のリリースは続けられたが、この時期から、ウッドとリンは念願だった"クラシックとロックの融合"というアイディアの具現化に軸足を移していく。そして71年12月には、ウッド、リン、ザ・ムーヴのドラマー、ベヴ・ベヴァンらをメンバーとするエレクトリック・ライト・オーケストラがレコード・デビュー。これをもって"ザ・ムーヴ"の名前は封印されている。
