佐藤允彦と中山千夏が担当していたラジオ番組『ザ・ラストショー 允彦千夏のあなたまかせ』(1974~76年 TBSラジオ)で演奏された「今月のうた」の幻の録音テープが発掘!!伝説的なラジオ番組の音源が約50年もの時を経てリリース!「今月のうた」をほぼ全曲を収録した貴重な作品集
『ザ・ラストショー 允彦千夏のあなたまかせ』は、毎週、昭和を代表する文化人が登場して歌とトークとを繰り広げた番組だったが、録音はTBSラジオにはもう保管されておらず、聴く事の叶わない幻の番組となっていた。ところがこの番組の熱心なリスナーだったファンの働きかけにより、佐藤の事務所倉庫から状態の良い当時の録音テープが発掘された。半世紀近い時を超えて蘇ったテープには、若い二人が全力で創り上げた歌謡曲でもない、ジャズでもない、「新しいにっぽんのうた」がぎっしりと詰まっていた。昭和44年に大ヒット曲「あなたの心に」をリリースしていた中山だが、この番組の頃、佐藤と共に演歌やアイドルポップスを中心とした当時の日本歌謡曲との訣別を誓い、佐藤の本業であるジャズの要素や日本民俗音楽的な要素を取り入れながら「新しいにっぽんのうた」を創作、番組の中で「今月のうた」として次々と発表していった。その多彩にして高度な音楽は、若い二つの才能の煌めきそのものである。幼少のころからきちんと歌唱教育を受けた中山の伸びのある歌声は「新しいにっぽんのうた」の魅力をストレート(直球勝負)に伝えてくる。作曲とピアノは佐藤允彦。彼が希代のメロディメーカーであることが収録曲を聴くと確信へと変わる。コード進行も多彩でその新鮮さは今も輝きを失わない。特に抒情的な楽曲「思案顔ブルース」「あたしの四月」「十月はたそがれの国」「野の花」「大和稲刈唄」などは芸術歌曲と呼べるほどのクォリティである。楽曲の多くはTBSのラジオスタジオで収録されたために、伴奏は佐藤のピアノ独奏が多い。そしてこのピアノがどえらく巧い。多彩な表現力、抜群のリズム感、中山の歌唱を支えつつもきちんと主張し、単なる伴奏ではなく歌とピアノで総合的に音楽を昇華させていく。奇跡に近い業だ。一部の楽曲は『ふたりのひとりごと』(1973年/トリオレコード)、『千夏あるひとりの女』(1975年/コロムビア)にも再録された。中山がジャケット・アートワークデザインを担当。佐藤允彦による最新リマスタリング。ブックレットには当時の番組資料、歌詞のほか、中山、佐藤の他、当時のディレクターも交えた録り下ろしの鼎談を掲載。
- Disc 1
- 1. ザ・ラストショー オープニングテーマ(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 2. 野の花(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 3. 思案顔ブルース(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 4. 原宿表参道のお嬢さん(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 5. 手紙がこなくなって(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)■別テイク
- 6. ワクワク(作詞:谷川俊太郎 作曲:佐藤允彦)★
- 7. あたしの四月(作詞:寺山修司 作曲:佐藤允彦)
- 8. 夕方が嫌いなのは(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)★別テイク
- 9. 私が生まれたのは五月(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 10. オルゲの唄(作詞:木島始/中山千夏 作曲:佐藤允彦)★
- 11. 夕日(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 12. 広島の川(作詞:山下勇三 作曲:佐藤允彦)★
- 13. 青天井(作詞:秋田民謡 作曲:秋田民謡)★
- 14. 大和稲刈り歌(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- Disc 2
- 1. こげな町には(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)★
- 2. 江戸の唄(作詞:永六輔 作曲:佐藤允彦)
- 3. 厄払い(作詞:古典落語 作曲:佐藤允彦)
- 4. 休めサラリーマン(作詞:赤塚不二夫原案/中山千夏 作曲:佐藤允彦)★
- 5. 十三階段(作詞:山下勇三 作曲:佐藤允彦)★
- 6. あたいの兄ちゃん(作詞:山下勇三 作曲:佐藤允彦)
- 7. 恋なんて(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 8. 青い鏡の中で(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)■別テイク
- 9. 十月はたそがれの国(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 10. 氷風(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 11. ニライカナイ(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 12. 約束(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 13. わたし(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 14. 細い銀色の雨(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 15. 秋のように(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- 16. ざんぶり日暮れた(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)別テイク
- 17. ザ・ラストショー エンディングテーマ(作詞:中山千夏 作曲:佐藤允彦)
- ■『ふたりのひとりごと』(1973年/トリオレコード)
- ★『千夏あるひとりの女』(1975年/コロムビア)