SALSOUL

クラブ・ミュージックのルーツとなったNYディスコを代表する名門サルソウル

SALSOUL

プロフィール

1974年、ニューヨークのラテン系起業家ジョセフ、ケネス、スタンリーのケイリー兄弟によって設立されたSalsoul Recordsは、ディスコ黄金期の幕開けを象徴するレーベルである。兄弟はもとより8トラックカートリッジの製造・流通で名を成しており、そこに蓄積された音楽ビジネスのノウハウを背景に、ソウルやラテン、Funk、そして新興のディスコ市場を横断する企図のもとレーベルを立ち上げた。

レーベル名「Salsoul」は、初期のレコーディングを担当したジョー・バターンが「サルサ(Salsa)とソウル(Soul)の融合」を意図して命名した造語である。1974年には同年リリースのファースト・シングル〈The Bottle〉(Joe Bataan)がニューヨークのダンスフロアを席巻。以降、兄弟はGamble&Huffから独立して放逐されたフィラデルフィアのトップ・セッションマンたち──ヴィンス・モンタナJr.(ヴィブラフォン)、ノーマン・ハリス(ギター)、ロニー・ベイカー(ベース)、アール・ヤング(ドラム)──を起用し、自社ハウスバンド「Salsoul Orchestra」を結成。1975年発表の〈Salsoul Hustle〉で幕を開けたオーケストラ名義の作品群は、緻密なストリングス・アレンジと重厚なブラスが特徴的な「サルソウル・サウンド」を築き上げることになる。

1976年には商業用12インチ・シングルの先駆けとも言えるDouble Exposureの〈Ten Percent〉を発売。これによって長尺ダンスミックス文化を牽引すると同時に、Loleatta Holloway「Love Sensation」、First Choice「Doctor Love」、Instant Funk「I Got My Mind Made Up」など、数々の大ヒットを生んだ。女性ヴォーカリストのソウルフルな歌声、インスト主体のファンク・グルーヴまで、レーベルはダンスミュージック全方位をカヴァーし続けた。

そのサルソウル・レコードに欠かせない存在として、ニューヨークの伝説的クラブ「パラダイス・ガレージ」のハウスDJ、ラリー・レヴァンがいる。彼は1977年以降、ガレージのシステムに最適化されたSalsoulの12インチ原盤を次々とプレイ。特にInstant Fun k「I Got My Mind Made Up」のレヴァン自身によるリミックスは、パラダイス・ガレージの漆黒のサウンドシステムを通じて伝説化し、レヴァンのプレイリストは“レヴァン・ミックス”と呼ばれて熱狂的に追い求められるようになった。ガレージのフロアに響き渡るホーンリフと深いベースラインは、当時のディスコを単なる「踊る場所」から「即興と実験の場」へと変えた。

しかし、1979年のディスコバッシングを経て、80年代中盤にはレーベル活動を休止したが現在でもサルソウルの音楽はダンスフロアで機能し続ける。サルソウル・レコードが再評価し続けられるのは、ディスコ/ブギー黄金期に生まれたグルーヴが現代のクラブやストリーミング時代にも強烈に影響し続けているからである。

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