1976年には商業用12インチ・シングルの先駆けとも言えるDouble Exposureの〈Ten Percent〉を発売。これによって長尺ダンスミックス文化を牽引すると同時に、Loleatta Holloway「Love Sensation」、First Choice「Doctor Love」、Instant Funk「I Got My Mind Made Up」など、数々の大ヒットを生んだ。女性ヴォーカリストのソウルフルな歌声、インスト主体のファンク・グルーヴまで、レーベルはダンスミュージック全方位をカヴァーし続けた。
そのサルソウル・レコードに欠かせない存在として、ニューヨークの伝説的クラブ「パラダイス・ガレージ」のハウスDJ、ラリー・レヴァンがいる。彼は1977年以降、ガレージのシステムに最適化されたSalsoulの12インチ原盤を次々とプレイ。特にInstant Fun k「I Got My Mind Made Up」のレヴァン自身によるリミックスは、パラダイス・ガレージの漆黒のサウンドシステムを通じて伝説化し、レヴァンのプレイリストは“レヴァン・ミックス”と呼ばれて熱狂的に追い求められるようになった。ガレージのフロアに響き渡るホーンリフと深いベースラインは、当時のディスコを単なる「踊る場所」から「即興と実験の場」へと変えた。