NIRVANAは1987年、ワシントン州アバディーンにてカート・コバーン(Vo/Gt)とクリス・ノヴォセリック(Ba)を中心に結成されたオルタナティヴ・ロックバンド。1989年にSub Popレーベルからリリースしたデビュー作『Bleach』は、荒々しいグランジ・サウンドで注目を集める。1991年、メジャー移籍後のアルバム『Nevermind』が世界的な大ヒットとなり、“Smells Like Teen Spirit”は90年代の代名詞的アンセムに。重いギターリフ、激しいダイナミクス、そしてカートの内省的で時に爆発的なヴォーカルが、若者の不満と孤独を代弁し、グランジを世界的潮流へと押し上げた。続く『In Utero』(1993年)では、よりノイジーで生々しい音像を展開し、商業的成功とアーティスティックな挑戦の両立を図る。1994年、カート・コバーンの死によりバンドは活動を終了したが、その影響力と精神は現在も多くのアーティストに受け継がれている。破壊的でありながらも繊細、NIRVANAは90年代の音楽と文化に決定的な爪痕を残した。