設立からわずか2年足らずのあいだに、Candidは数々の名盤を輩出、1961年にリリースされたオーティス・スパンの『Otis Spann Is the Blues』は、トム・ノーラのNola Penthouse Studioで録音されたピアノとホーンの距離感が見事に捉えられ、ブルース再評価の流れと結びついた傑作として評価を受けた。同年、チャールス・ミンガス自らが編曲・指揮を手がけた『Charles Mingus Presents』では、エリック・ドルフィーやビリー・ハーパーら新鋭が前衛ジャズへの扉を開き、さらに「Newport Rebels」プロジェクトでは、商業化を批判するために集まったマックス・ローチやブッカー・リトル、アビー・リンカーンらが一堂に会し、ジャズの芸術性と政治性を鮮烈に刻み込んだ。