FLYING DUTCHMAN

ギル・スコット・ヘロンやロニー・リストン・スミスの才能を見出した名門レーベル

FLYING DUTCHMAN

プロフィール

1969年、ジャズ・プロデューサーのボブ・シール(Bob Thiele)がニューヨークで設立したFlying Dutchman Recordsは、「演奏者主体」「社会的メッセージを伴った音楽」を掲げたインディペンデント・レーベル。

ボブ・シールはそれまでImpulse!レーベルでジョン・コルトレーンらを手がけ、録音現場の自由度を追求してきました。Flying Dutchmanの社名はワーグナーのオペラ『飛翔するオランダ人(Der fliegende Hollander)』になぞらえたものと言われおり、レーベルの理念──あくまでアーティストの“表現の場”であること──を象徴してる。

設立直後から、ギル・スコット=ヘロン、ガトー・バルビエリ、オリバー・ネルソン、ロニー・リストン・スミスらが次々にFlying Dutchmanへ参加。とりわけギル・スコット=ヘロンのデビュー・アルバム『Small Talk at 125th and Lenox』(1970年)は、ジャズとスポークン・ワードを融合した革命的な作品として後年まで語り継がている。

一方で、政治運動家のH.ラップ・ブラウン、アンジェラ・デイヴィス、批評家スタンリー・クルーチの演説録音をリリースしたことも注目を集める。これらのアルバムはレーベルの本拠地であるマンハッタンのデモで配布され、若い世代のマインドに直接語りかける“音のドキュメント”として評価された。

流通面では、設立当初はMainstream Records(1969年~)、1971年からはATCO/Atlantic、1972年からは独立流通、1973年以降はRCAをパートナーに活動。1970年代中盤までは安定したリリースを続けたが、1979年頃から主要アーティストの契約を失い、80年代初頭に事実上活動を休止した。長らくカタログは眠っていたが、1980年代後半から誕生した新しい音楽ジャンル、レア・グルーブ、ヒップホップ、アシッド・ジャズの興隆による1970年代の音楽への関心が若い世代から注がれ再評価を高める事となった。オフィスはかつてブロードウェイ1831番地に置かれ、小規模のインディーズだったにもかかわらず音楽とメッセージを両立させる姿勢が今なお多くのミュージシャンやリスナーに刺激を与えている。
Flying Dutchman Recordsの歩みは、「音楽が思想と出会った瞬間」を現場から発信し続けた稀有なレーベルとしてこれからも語り継がれていく。

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